0105  あけましておめでとうございます

 この音声ファイルを新年のご挨拶とさせていただきます。(3.2M 3分27秒)
 風邪気味で声が酷いですが…。みなさんも風邪には気をつけてくださいね。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。



 0106  ミッドナイトララバイ

 私の耳元で囁く君の声はとても心地良くて、まるで子守唄みたいだ。吹きかかる息は私の耳たぶを優しく撫でて、私を眠りにいざなう。けれど、堕ちていく夢の淵で君は私を待ち構えていて、現実に引き戻そうとする。
 お願いだから眠らせて。そして目が覚めた時、私の隣にいてほしい。



 0107  はさみうち

 背中をぐいぐいと押されて、無理矢理前進させられている。自分の一番いいペースで前に進みたいのに、なかなか許してもらえない。正面から吹く風が弱くなることはなくて、後ろから押される力も強くなる一方で。私はその両方に挟まれて、呼吸が出来ないでいる。



 0108  溜息が白い部屋

 手がかじかむ。毎晩やってくる夜は寒くて、君の温もりが欲しくなる。朝がやってくる。やっぱり寒くて、私はベッドの中で一人体を震わせている。
 全てを、君が私を温めてくれないせいにして、私は今日も自分で体を温める。



 0110  吐息が白い部屋

 君は昨日確かに、私の隣で、私の耳元で、優しく囁いてくれた。
 君に温めてもらった私は、昨夜はちっとも寒いとは感じなかった。



 0111  午前六時半の憂鬱

 寝るのが惜しくてついつい夜更かしをしてしまう。一時間だけ寝る時間を削れば、あと一時間だけ好きなことが出来る。私は毎日寝る時間を少しず削って好きなことに夢中になる。
 朝起きるのは辛い。やっぱり早く寝ればよかったと毎朝後悔するのだけれど、それでも私は夜更かしをやめることが出来ない。



 0112  ランナーズハイ

 走り続けることに疲れてしまった。けれど、まだ立ち止まることは出来なくて、私は苦しい苦しいと文句を言いながら、それでも仕方なく走り続けている。
 ゴールテープはない。果てしなく続く長い道のりを、私はただただ全力で駆け抜けていく以外にない。願わくば、この苦しみが限界を通り越して、気持ち良いと感じることが出来ればいいのだけれど。



 0113  落ち込むなら、激しく、深く、けれど短く。

 あのさあ、アンタはそうやっていつも果てしなく落ち込んでさ、どうしてもっとプラスに考えられないかなあ。だってもう終わったことなんだからしょうがないじゃん。それをいつまでもグジグジして。そんな時間があるなら改善点を考えた方がずっと有意義だよ。しっかりしなさいよ。

 と、私は今、もう一人の私に説教されている最中。



 0115  愛しいミルク

 寒い夜にホットミルクを飲むのが好き。濃ければ尚良い。
 冷えた体に温かいミルクを流し込んでほうっと溜息をつく。体内に熱が浸透していくのを実感するのが私の冬のお約束。ぽかぽかの体をベッドに横たえる。眠れない夜の安眠剤。



 0117  一つの始まりのカタチ

 私は本当に懲りない。舌の根も渇かぬうちに、私の気持ちはもう既に動き始めてしまった。
 だって、そうじゃない? あからさまに好意を表現されたら、女ってグラグラってきちゃうもんじゃない?
 そうやって私は全ての責任を君に押し付けて、自分を正当化する。



 0118  もっともっと、奥まで挿入して。

 長い間、固く閉ざしていた私の中に、君は半ば強引に押し入ってきた。突然の激しい摩擦に驚いて、私は小さく悲鳴をあげる。君は容赦無く、どんどん私の中に入ってくる。私は必死に君にしがみつく。
 私の速くなった鼓動は突然の衝撃によるものではなく、高揚感によるものだと解かるまでそう時間はかからなかった。君への想いが私の中から溢れてきて、君が起こしている摩擦を和らげる。私の心は今、こんなにも潤っている。 



 0119  そして私は今日も泣く

 もともと泣き虫な私だけれど、ここ最近は更に酷くなっている。月曜日は切なくて泣いた。火曜日は悔しくて泣いた。もしかしたら今日も泣くのだろうか。
 涙の粒が頬を伝う時、私はいつも考える。涙って何℃くらいあるんだろう。濡れた頬があまりに熱くて、私は自分の激しい感情が涙の一粒一粒に染み込んでいるのだと思えて仕方がない。



 0120  帰り道

 溜息をつく。吐き出された息は辺りの空気を真っ白に変える。
 溜息の数だけ幸福が逃げるという言葉が真実であれば、私など、とうの昔に不幸になっている。



 0121  どこまでも続く道

 やっと一息つく。ずっと走り続けてきた中で味わう本当に短い安息。立ち止まって周りを見渡すと、本当に今まで何も見えてなかったことに愕然とする。それでも私は、この一休みが終わったらまた走り出さなければならない。
 自分の眼前に続く道を見据える。終わりの見えない道が果てしなく続いている。そろそろ休憩は終わり。また今日から走り始めよう。



 0124  君が基準の毎日

 笑顔が曇る。さっきまでの楽しかった時間は既に過去。私は君の言葉一つで一喜一憂するんだから、一瞬で私を喜ばせることも悲しませることも出来るのに。
 私を悲しませないで。せっかくの楽しい時間をなかったことにしないでほしい。



 0125  駆け引き上手

 君が私に向けて放り投げた細い糸の先には、君の愛情が引っ掛けてあった。私がずっと欲しかったもの。私は反射的に食いついてしまう。君はすかさず糸を引く。
 ところが君は乱暴で、私の意向を無視して力任せに糸を手繰り寄せるものだから、私は驚いて抵抗した。糸が張る。その糸は、少しでも力をこめればすぐにでも千切れてしまいそうなほど脆いというのに。私は悲しくて、糸が切れてしまった後の君を想像する。私が逃げたら、君はその後どうするの? 私の目は君にそう訴えていたに違いない。
 張り詰めた糸が突然緩んだ。君が糸を引っ張るのをやめたのだ。途端に気持ちが楽になる。そう。そうやって私を泳がせておいて。無理に引き寄せようとしないでほしい。放っておけば、私は自分から君に寄って行くのだから。



 0126  それが現実

 彼女の唇から次々とこぼれる美しい嘘は、少しずつ積もり積もっていって、もうそれが彼女の真実になっていた。きっともう後には引けないのだろう。
 事実は醜いものだった。彼女の理屈が事実であったならどれだけ良かっただろう。それでも、いくらその方が美しいものでも、良心の呵責に耐えられない私は彼女のように嘘を並べることが出来ない。



 0127  リセットボタン

 自分らしさを保とうとするのだけど、努力も虚しくどんどん崩れていって。修復しようとするのだけれど、空回りする一方で。
 もう一度思い出してみる。何が一番自分らしいのか。そんなのは自分で勝手に思い描いている幻想で、意外に自分のことなんてみんな知らない。それなら全てを投げ捨てて、最初から積み上げていけばいい。
 イチから始めようとするからいけない。ゼロになってみて、それから考えよう。私はきっと、ゼロになるのが怖くて躊躇っているだけだ。



 0128  今、キミがいる場所。

 夜空を見上げる。私は、キミがこの夜空のどこかにいることを知っている。
 キミは今、何をしているんだろう。星屑の波間に揺られながらのんびりしているかもしれない。三日月のハンモックに横たわってうとうとしているかもしれない。そんなキミを想像して私の顔は笑顔になる。そして、もうキミを思い出して笑えるようになっている自分に気付く。
 夜空を見上げる。キミも、私がキミのいるこの夜空を毎日見上げていることを知っている。



 0131  君の隣に私

 君の体の上に腰を落とす。君は私の下敷きになりながら私を見上げ、そして目を瞑る。
 そんなことを夢想して、今日も朝を迎える。