0101  音声で新年のご挨拶

 簡単ですが、新年のご挨拶に代えさせていただきます。
 (1.7MB 約2分)



 0103  心は晴れないまま

 恋がなかなかできないなんて言ってるくせに、気になる人は割とすぐにできる。自分の中で段々育って行く恋心を少しの間そのままにしておいて、ドキドキするのを楽しんでいる。
 けれど少しでも苦しくなり始めたら、私は得意の『逃げ』によって、自分の恋心を潰そうとする。これ以上育てちゃダメなんだと言い聞かせて、冷静な自分を取り戻そうとする。

 いつまで逃げるのか、自分の気持ちをどこまで誤魔化すのか、自分でも解からない。



 0105  陵辱

 体の奥が熱くなって、私は、自分が自分でいられなくなるような気がした。目の前にいる、まるで私のようにちっとも素直になれない彼女。言葉では嫌がっている彼女も、次第に自分の本心を認め始めた。それは彼が、彼だけが時折彼女を気遣う素振りを見せたからだろう。
 私はどうなんだろう。私にも彼のような人がいたなら、もしかしたら。
 私は彼女がしたように、頭をぶんぶん振って自分の考えを押さえ込んだ。私は自分の信念を曲げちゃいけない。そう言い聞かせても、熱くなった体はなかなか鎮まらなかった。



 0106  女の特権

 もしも女に生まれなければ、こんなに苦しむことはなかった。
 けれど。
 もしも女に生まれなければ、その悦びは経験できなかった。

 女に生まれて良かったと、今は思っておこう。



 0107  パブロフの犬

 高校生の頃は恋人とホテルにばかり行っていた。私も恋人も実家に住んでいたから、それは必然的なことだった。
 ホテルに行く前に私達は必ずコンビニに立ち寄り、たくさんの食料を買い込んだ。いつの間にか決まっていたのは、毎回必ずヨーグルトを買うということ。二人の大好物だったプレーンヨーグルト。それを部屋でくつろぎながら二人で一緒に食べ、食べ終わるとセックスをした。それが私達の習慣になっていた。

 あれから8年。その恋人への未練なんて微塵も残っていないけれど、一つだけ消えなかったことがある。私はヨーグルトを食べるとセックスしたくなる女になってしまったということだ。
 全く、一人の夜にヨーグルトなんて食べるもんじゃない。食べればまた昨日の夜みたいになってしまうんだから。



 0108  明日に繋がるように

 『今日の失敗はきれいサッパリ忘れてまた明日』
 うん。確かにその考えは前向きでいいと思うんだよ。でもさ、せっかくものすごく悔しい思いをしたんだから、それをきれいサッパリ忘れちゃうのはもったいない気がするの。明日こそはって気持ちで朝から取り組めば、今回の失敗なんていくらでも取り返せるよ。

 悔しい気持ちを翌日まで保たせて、それを今日の力に変えられたら、きっと人はもっともっと強くなれるんだと思う。



 0109  身包み剥がしていいですか?

 あなたのことを最近まで知らなかった私にとって、あなたは謎の人でした。でもあなたは自分のベールをちょっとだけ剥がして自分のことを教えてくれました。私は私であなたのことをちょっとだけ理解することができました。
 でも、まだまだほんの少し。あなたは幾重ものベールに包まれていて、中身はまだ見えないから、私はその中身がどうなっているのか知りたくて一枚一枚剥がそうとしています。
 あなたの中はどうなってるのですか? これからもっともっと教えてください。



 0110  大人になった子供

 私はとても大人気ない。このやり場のない気持ちをどこに向ければ良いのか解からずに、無関係の君にぶつけてしまった。ごめんね。
 年齢的にはもう十分に大人のくせに、精神的にはまだまだ子供の私。そんな私に、君は子供のように無邪気に冗談を言いながら私の心を和ませてくれた。
 私なんかよりも、きっと君はずっと大人。



 0111  ほっと一息したい時

 ミルクティーが好き。ほかほかと湯気の立つ、甘くて温かいミルクティー。中学生の頃、学校の近くで缶のミルクティーを買い、それを飲みながら友人と帰るのが日課になっていたほど。

 一番おいしいのは、やっぱりミルクパンで牛乳をコトコト煮て作るロイヤルミルクティーなんだけど、手間も時間もかかるからなかなか飲めない。毎日仕事中に飲むのは苦くてまずいブラックコーヒーだから、休日くらいは家でのんびりと大好きなロイヤルミルクティーを飲みたい。甘いミルクをたっぷりと入れて、日頃溜まった疲れをシロップの糖分で分解する。
 こういう楽しみを、私は大切にしたいと思う。



 0112  答えは風に吹かれている

 吹いていた風がぴたりと止まった。
 この風は、今度はどこに向かって吹くのだろう。



 0113  隣で眠らせて

 意地悪な睡魔は、眠らなくてはいけない私をなかなか夢の世界に導いてくれない。目を瞑っても、瞼の裏に映し出されるのは未だ来ない現実で、未来よりも遥か遠くに存在するその事実に手が届かないまま時計の針だけが進んでいく。考え出すと止まらなくて、それが睡魔の仕事を邪魔する。眠りたい。本当は眠りたいのに。



 0115  涙の理由

 悲しい訳でもないのに涙が出る。瞳を覆う涙の量が人より多いことは自覚しているけれど。
 朝、目が覚めたら涙がこぼれている。あくびをすると人並み以上に涙が溢れてくる。横になっているだけで目尻に涙が溜まる。
 もしかしたら私、本当は泣きたいのかもしれない。



 0116  音のない世界

 音のない部屋にハードディスクの回転音が響いた。その音が止まると、この世界に私以外は誰も存在していないのではないかと思えるほど静かになってしまって、私は慌てて音楽を流した。けれど、スピーカーから聞こえてくるヴォーカルの声を聞いても、私が一人ぼっちであることには変わりなかった。
 一曲だけ聴いて音楽を止めると、部屋には再び静寂が訪れた。変わらないのであれば、音は無くても良い。



 0117  風が吹くこの場所で

 風があっちの方向へ吹こうとしていた。答えが見えたような気がした。自分がどうしたらいいのか解かったような気がした。
 確かに今が私達の、そして私の分岐点なのかもしれない。どっちの方向に進みたいか、最後に一回自分に問いただして一歩目を踏み出す。



 0118  はなむけの言葉

 大好きな人、大好きなものを自分から切り離す瞬間、私の心は爪を立てられたように痛む。それでも生きていくということはそういうことなのだと自分自身に言い聞かせる。
 せめて一言だけ、心の中で言わせてほしい。新しい道を歩き出す君の背中を、私はただ見送ることしかできないんだもの。
 さようなら。私は君が大好きだったんだよ。



 0119  欲情の夜

 熱くなってしまった体にアルコールを流し込むと、私の体は自分の意志とは無関係に暴走し始めた。アルコールを摂ってしまった所為なのか、スキンシップが足りない所為なのか。
 吐く息は白い。どうせなら、凍えるような寒さに心の中まで真っ白に染めてもらって、私の中にあるわだかまりの全てを消し去って欲しいのに。



 0120  空虚な月光

 私の吐息は誰の頬に触れることもなく空気に同化される。私の体はベッドの波間でいつまでも彷徨っている。全ては無の中に。確かな存在など何一つないのに。
 それでも私は、今夜も透明なあなたを抱いて眠る。



 0121  伸ばした手の先にあるもの

 あなたの唇に、髪に、腕に、頬に、私の指先は触れたがっている。
 触れるにはまだ随分と遠くにあるのだけれど、それでも精一杯手を伸ばしている。



 0122  ティーカップの底にある現実

 紅い水面に角砂糖を落とす。トポンと音が鳴り、角砂糖はゆらゆらと沈んでいく。そしてカップの底に辿り着くと、熱さで脆くなっていたそれはぶつかった衝撃で形を変えた。角は取れ、丸くなり、熱い紅茶の中で次第に溶けてゆく。それは、なんてことない自然の現象なのだけれど。

 仕事の合間のティータイム。至福の時、世の中を当たり障りなく渡っていく術を示唆されたような気がして、私は再び現実に戻った。なるべく角が立たないように、出来るだけ周りに溶け込むように努めている私が、揺れ動く紅茶の水面に映った。
 私は角砂糖のままでいいのだろうか。



 0123  More little bit wiser, baby.

 『性描写』を『性病者』と変換する私のPCは逝ってもいいと思う。
 けれど、そんなおバカなIMEがちょっとカワいかったりする。よしよし。



 0126  作者の頭の中

 自分が書く小説の主人公がセックスをしていると、私もしたくなる。
 最近の私、なんだかもう、末期だと思う。



 0127  例えば私が死んだら

 もしも私が急に死んだらこのサイトはどうなるんだろうと考えた。契約更新が5月だから、更新されないインデックスがしばらくは残ることになる。そうなる前に、潔く片付けた方がいいのだろうか。その場合、何かメッセージを残した方がいいのか。
 そんなことを考えながら、私は明日が来ることを心から願う。



 0128  審判の時

 迷子になりそうなほど広い建物の中をぐるぐると回って、私はそれだけで疲れてしまった。途中で隔離室のような喫煙所で一本だけ煙草を吸い、再びいろんな場所を巡ってたくさんの検査をした。疲労の次に私を襲うのは不安。これが取り越し苦労であればいいのだけれど。
 レントゲンにそれらしい影は映らなかった。多分、ひとまず安心してもいいんだと思う。成さなければならないことを成さぬ前に、私は悪魔に連れて行かれる訳にはいかない。



 0130  前略、 お元気ですか?

 昨日ね、おでんを食べました。寒い夜はやっぱりおでんです。当時あなたは、軟骨入り焼きつくねやウインナーが好きな私に、そんなものが好きだなんて邪道だと言いました。が、そんな私も今ではすっかり大根やちくわ、こんにゃくなんかが好きです。当時はあまり好きではなかったけれど、あなたが作ってくれたおでんがおいしかったから、今では大好きになりました。
 けれど、相変わらずカラシをつけると食べられません。きっと今度は、カラシをつけないなんて邪道だと言うのでしょうね。それでもやっぱり、辛いのはダメみたいです。



 0131  伝えればいいってものじゃない

 感情をそのまま剥き出しにしてしまって、後で私はバカだなあと悔いた。
 私には妬く権利も、あなたには妬かれる筋合いも、本当はないだろうに。