1002  リプレイ

 何かが消えて何かが生まれる。何かを失って何かを得る。その繰り返し。
 どうせなら、失う物を減らして得る物を増やしていきたいと思うのだけれど、なかなか上手くはいかない私の人生。



 1003  それでも君には戻れない

 君の雫を一滴残らず吸収して、そのまま君のとなりで眠りたかった。
 手を伸ばせばすぐに届くほど近い距離に、君の体温を感じたかった。
 ただ、それだけでした。



 
 1005  表の私、裏の私。

 私には、絶対に他人には見せないと決めているもう一人の自分がいる。誰にも会いたくないし、誰とも話したくない。泣いて、喚いて、落ち込んで、自分自身でもどうにかならないのかと思う。でも、朝起きたらいつもの私に戻っているから、昨夜の出来事は夢だったんじゃないかと錯覚する。

 あまりにネガティブなもう一人の私は、表の私が許可しない限り表に出ることは出来ない。そのはずなのに。心が病んで手が付けられなくなると、裏の私は許可なく表に出てきて、表にいたはずの私を裏に押し込める。

 お願いだから、チェンジさせて。



 1006  君の笑顔と、優しさと。

 君が作ってくれた手料理は懐かしい味がしたから、また食べたいと思った。私を気遣ってくれる君の優しさが隠し味に使われていたのかな、なんて恥ずかしいほど考えたりして。
 喉の調子がよくなったら、柔らかいもの以外の手料理も食べてみたい。



 1007  その優しさ、口移しで。

 「その風邪、もらってやるよ」
 君はそれを口実に顔を近づけてきた。そんなクサい台詞に私は笑ったけれど、それはいつか私も誰かに言った台詞だった。
 弱っている時は、人の優しさが通常時よりも五割増しで胸に染み込んでくるように思う。



 1011  手作りのプレゼント

 やってくる寒い冬に備えて。
 窓から射し込む月の光を編みこんだマフラーにしようか。それとも今にも降り出しそうな星の影を縫い合わせた手袋にしようか。
 今からだと充分間に合うから、のんびりと予定を立てながら、あの子の喜ぶ顔を想像してほくそ笑んでいる。



 1012  季節外れの梅雨前線

 この涙は君の所為じゃないんです。
 私の涙なんて、梅雨の季節の雨みたいなものだから、「また雨か」くらいに考えてもらって全然構わないんです。

 この涙は君の所為じゃないんです。が。
 雨は暫く止みそうにないので、傘を準備しておいた方がいいかもしれません。



 1013  もっと優しく噛み付いて

 何かと意見が対立してしまう君と私。いろいろ言い合える仲なのは良いんだけど。
 私にもいろんな問題があると思うから人のことは言えないけれど、君の私に対する噛み付きようといったら、まるでご飯の最中にちょっかいを出された犬のように凶暴で自分中心。まるで子供みたい。
 でも私はそんな君が愛しくて、思わず口元を緩めながら反論するものだから、君の熱は更に増して大変なことになる。悪気はないんだから、そんなに怒らないでよ。
 私が口にしない裏の心境をもっと汲み取って、そして甘く優しく噛み付いてほしいのに。



 1014  いつまでたっても変われない。

 大きな空のように、もっと広い視野を持てたら。
 そよぐ風のように、もっと優しくなれたら。
 流れる水のように、もっと素直でいられたら。

 でもここにいいるのは、自分中心で毒ばかり吐いてて意地っ張りで、変わりたいけどなかなか変われない、どうしようもない私なんです。



 1016  胸に刺さった棘

 私の胸がチクチクと痛むのは、あなたの優しさの所為であり、私の無力さの所為でもある。
 痛みはまだ、取れそうにない。



 1017  敷かれたレールは一本道なのに

 こなさなければいけないことがたくさんあるのに全然片付かなくて、なんだかイライラしてしまう。気持ちの持ちようで作業ははかどるはずなのに、気分が切り替わらなくてストレスは溜まる一方で。

 迷う気持ちが止まらない。
 私が今すべきことを確実に消化するには、余計なことを考えないように、ただ突っ走ることだけなのかもしれないけれど。



 1018  お気の毒ですが冒険の書は消えてしまいました

 PCのことはよく解からない私の妹。触ってみればと誘っても、使い方が解かんないからいいやと言う、PCに何の興味もない妹。

 先日、出かける直前までネットをしていた私に、待ちくたびれてイライラしている妹は言いました。電源を切るのになんでそんなに時間がかかるのか、と。コンセントを抜くだけじゃだめなのか、と。
 ((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
「あんたさ、ファミコンの時のドラクエ3覚えてる?」
「覚えてるけど、それが?」
「突然電源を切ったらどうなる?」
「ちゃんとセーブして、リセットボタンを押しながら電源を切らないとデータが消えるかもしれない!」
「そういうこと」

 妹にとって一番解かりやすい例えを出してくるあたりが、我ながらさすがかと。ゲーマー姉妹。



 1020  精神的疲労

 疲れてきた。マラソンしてる時の、一番苦しい時の感覚。
 でも、まだまだ疲れてる場合じゃない。一息つくのはもっと先だ。
 あと少し。あともう少し。



 1021  間違い電話

 滅多に留守電をセットして出掛けない私が、昨日は留守電をセットして出掛けたらしくて、家に帰ったら留守ランプがピコピコしてました。「お」と思って再生してみたんですけど。
 『高倉さん(仮)のお宅ですか? 山中(仮)ですー。こんにちはー。研修の日程が決まりましたのでお知らせしておきますー。30日の午前9時半からです。9時には入っておいてくださいー。それじゃ。』
 えーと。
 高倉さんって誰ですか? 山中さんってどちら様?

 高倉さんが9時までに行かなくても、私は知りません。



 1022  いつもの朝

 毎朝、家を出る時、私はいつもキミに「行ってきます」と声を掛けるのに、写真立ての中のキミは私に「行ってらっしゃい」と言ってくれない。
 それでも私は今日も懲りずに、キミに「行ってきます」と声を掛ける。



 1023  キスの効力

 私は口を開くとロクなことを言わない。きれいごとを言いたがるし、憎まれ口はたたくし、毒は吐くし、嘘ばかりつくし、口は軽いし。どう考えてたって最悪。
 私は口を開いてもロクなことを言わないから、君の唇で私の口を塞いで、そして黙らせて欲しい。



 1024  冷たくて温かい優しさ

 暖かそうなジャケットとニットのマフラーを身に着けている友人の隣で、うっかり薄着で出掛けてしまった私は、あまりの寒さに腕組みをしてブルブルと震えていた。寒い時、私は決まってあくびをしてしまう。
「ねえ、寒いとあくびが出るよね。ほら、凍死する時って眠くなるって言うじゃん。寝るなー! 眠ったら死ぬぞー! みたいな。寒い時のあくびって、あれと似た現象なのかなあ」
 そう熱く語る私に友人は、「バーカ。それってあんただけ」と一言呟いて、私の首にマフラーを巻いてくれた。



 1025  浮気だって必要なんだって

 私は自分の感性を退化させたくないから、いろんなものを見て、いろんなものを読んで、いろんなことを感じて、自分の感性を養いたいのです。何にも目を向けずに突っ走ってしまうことは、自分の感性を伸ばせない原因になると思っているから、他の物事にも目を向けながらゴールを目指したい。それだけ。
 不感症になりたくないから、私は道草ばかりするのです。



 1026  ここに居てもいいですか?

 私の存在価値を考えた時にいつも想像してしまう。私は誰に必要とされてるんだろうって。そんなことを考える余裕もないほど忙しい時には、そういうのどうでもいいって思うんだけど。

 私が急に居なくなったら誰が困るんだろう。誰が淋しがってくれるんだろう。そんな考えが止まらない時は、本当に消えてみて周囲の反応を見てみたいと思うこともある。でも、やっぱり消えたくなんてない私は、いつも通りの生活に無理やり戻す。



 1027  心を暖める私の方法

 目が覚めるとベッドから出られないほどの寒さで、暖房が効いてくるまでの少しの間、私は二度寝をする。

 キミが隣にいた頃は、寒い朝もキミの体温で温まることが出来た。あの頃は真冬の朝でもそんなに寒いとは感じなかったのに、まだ11月にもなっていない今の方がずっと寒く感じる。天と地に引き裂かれてしまった私達は、もう一緒に温まることは出来ないから、せめてキミを思い出して、私は心の中を自分自身で暖めようと思う。



 1028  欲求不満の女

 手の平で受け止めるはずだったリンスが勢いよく飛んで太腿にかかりました。
 その光景を見てちょっとエッチな気分になってしまった私は変態ですか。そうですか。



 1030  幸か不幸か

 ここ最近ものすごかった性欲も、あまりの忙しさに落ち着いてしまった。
 良いのか悪いのか解かんないけど、それはとりあえず、この忙しさが落ち着いたら考えることにして、今はただやらなきゃいけないことをやるだけ。



 1031  あと少し

 「ねえ、大丈夫なの?」「うん平気平気」

 嘘はついていないよ。
 嘘はついていないけど、確かにちょっと無理してるよ。
 ということは、やっぱり私は嘘をついてるのかな。