1201 初恋の味

 毎日会いたかったし、毎日話したかった。もっと彼のことが知りたかったし、もっと私のことを知って欲しかった。周りからは見る目がないと貶されたけれど、私にはそんな声は届かなくて、どんどん彼に心が向かっていきました。会えない時はすごく寂しかったし、会えた時はすごく嬉しかったのです。

 それはすごく甘酸っぱくて、すごく切ない恋でした。



 1202 隣にあなたがいた頃

 高校3年生の冬休みに入る少し前に、幼なじみと付き合い始めました。友達のようで、恋人だった人です。あまり気を使わなかったので、今となってはそれが問題だったのかもしれないと思います。

 高校を卒業して短大に入り、彼と一緒にすごす2回目の冬が来ました。一緒にドライブに行った時、小さな小さな雪だるまを作りました。私のニット帽を被せて、彼のタバコを口に咥えさせて、ちょっとワルそうな雪だるまが完成しました。人通りの少ない山道にそれを置いて、写真を撮りました。「思い出にしよう」と言って。

 その数日後に彼から別れを告げられたのは、急に暖かくなった気候の所為で雪だるまが溶けてしまったからなのかもしれないと、今では思うのです。思い出はその時にすべて溶けてしまったのだと。



 1204 ノンストップ

 どんなに一生懸命手を伸ばしても、ちっとも届きそうもない。どんなに一生懸命走っても、ちっとも追いつきそうにない。心の底から欲しても、世の中には絶対に手に入らないものがある訳で、なんだか一生懸命努力していることが悲しくなってきます。

 でも私は、解かっていても諦めることが出来ない。欲することを止められないのです。



 1206 ベッドの中の憂鬱

 朝起きて毎日思うこと。眠い。寒い。風邪ぎみ。微熱がある。頭が痛い。休みたい。でも休めない。
 朝ベッドから出たくないのは、本当は寒いからではなく、会社に行きたくないからだと思いました。OLはつらいよ。



 1207 いつも一緒にいたかった

 寒い季節になり、温まりたいと思うと、必ずキミのことを思い出します。

 一昨年の今頃、私にはキミに十分な暮らしを与えてあげられるほどの経済的余裕がなくて、寒くて狭い部屋の真ん中にあるコタツに二人で入って夜を過ごしていました。室内だというのに吐く息は白かった。だからキミと私は、だからこそ、寄り添い合ってお互いを温め合った。寒い部屋で、冷たい水を与えていたあの頃。今では暖かい部屋で、温かいミルクを飲ませてあげることが出来るのに、キミはもうここにいない。それが本当に寂しいのです。

 今、私の部屋は暖かく、吐く息が白いなんてことはまずありません。でも、キミが隣にいて、キミの体温が心地良くて、あまりの気持ち良さにうたた寝をしてしまう時の暖かさは、私はもう感じることが出来ない。それが本当に悲しいのです。



 1208 夢から覚めたら

 夢を見ました。すごく懐かしい夢でした。

 あの頃は毎日があっという間に過ぎていって、とにかく生きることに精一杯だったから、何かを考える余裕なんて無かった。でも一日一日が充実していて、私自身がとても輝いていた時期でした。今の私はというと、生きることに慣れたのか、それともただ単に要領を得たのか解からないけれど、毎日をぼんやりと過ごしていて、ただ生きているだけで、輝いた一日を過ごすことはもう出来ないんじゃないかと思うくらい毎日がつまらないのです。

 あまりにも懐かしかったからか、目が覚めたら泣いていました。



 1209 ティアドロップス

 涙の数だけ強くなれるとか、キレイになれるとか言われているけれど、私はすぐに泣くのに、強い訳でもキレイな訳でもない。強くなりたいしキレイにもなりたいけれど、全然そういう女になれる兆しはありません。

 ほら、そんなことを考えてたらまた涙が出そうになる。



 1212 何処に行けばいいのか、何処に居ればいいのか。

 私がいてもいなくても世の中は何の支障もなく動いていて、私の存在価値ってあるのかなと、ふと考えてしまいます。価値が無いということはないのだろうけど、少なくとも特に大きな効果はもたらしてないのだろうと思います。私の居るべき場所は何処なのか。存在理由は。そんな普段では考えないようなことが頭の中をグルグル回り、私を悩ませるのです。

 弱っている時は、何かと物事をマイナスな方向に考えがちな私です。



 1213 未練なんかじゃない

 今はもうアナタのことなんて全然好きじゃないし。てゆうか、ずーっと忘れてたし。あの頃はワタシも若かったし、アナタだって若かったし。あの時どっちが悪かったなんて今更掘り起こす気もさらさら無いし。もともとああなることが決まってたと思うしかないし。

 だから今になってワタシの夢の中に出てくるようなことはやめてください。
<


 1217 時間は流れていく 私は変わっていく

 季節は移り変わり、窓の外の風景も次々と変わっていき、キミがいた頃に比べて私も、私の周りの環境も、180度変わってしまいました。私が此処に一人ぼっちで居ても流れは止まらない。周りはどんどん変わって行くから、たまに立ち止まりたいと思っても、どんどん周りに流されてしまいます。

 キミがいなくなって1年4ヶ月。キミが生きた時間と同じ、1年4ヶ月。



 1219 誤算

 実はね、最初はアナタのこと、ちょっと好きだったんだよ。

 最初にアナタに出会った時、長い間凍結していたワタシの心の奥にある扉が少しだけ開いた。恋が始まる。そんな予感がした。でも、ワタシのそんなインスピレーションをよそに、アナタはワタシに何の遠慮もせずに接したし、そんなアナタにつられてワタシもストレートに自分の感情をぶつけた。

 その結果、アナタとワタシは、言いたいことをズケズケと言い合う親友になってしまいました。



 1220 ヨノナカバカナノヨ

 働けど働けど評価されず、些細なミスで怒られて。

 仕事が順調な時には「仕事が出来てもやる気がない人間はうちにはいらない」と言われ、気持ちを引き締めて仕事に取り掛かったら「やる気があっても仕事が出来ない人間はいらない」と言われ。その両方を維持しながら毎日を過ごすことは難しく、どちらかが欠けるとすぐに上のようなことを言われます。もう疲れたよ。

 とりあえず、確実に「今日中」に帰れる仕事に就きたい。とりあえず、残業代が出る会社で働きたい。とりあえず、お給料はもうちょっと安くてもいいから完全週休二日制の会社に勤めたい。とりあえず、通勤に一時間かかる距離は避けたい。とりあえず、とりあえず。



 1221 社会人である前に女でありたいのに

 昨日帰ったの深夜二時前だし。タクシー代は深夜割り増しで3920円だったし。今思いっきり給料日前だし。あんまり寝てないから肌ボロボロだし。土曜日は本来午前中だけなのに今日はフルだし。正月休みは大晦日からで30日までは仕事だし。多分正月休みを返上して仕事だし。今ある悩み事といったら恋愛のことではなく全て仕事のことだし。

 仕事のことを全部忘れてただひたすら恋がしてみたいと思うけど、そんな余裕は私には無かったり。この生活がずっと続くのかと思うと、本当にウンザリだったり。



 1223 純情少女ではなくなってしまった私

 まだ学生の頃、恋愛もそれなりにこなして、キスもセックスも少しは上手になって、ある程度の嘘と打算を覚えました。

 当時私には結婚を約束していた人がいました。お互いのことをすごく理解し合っていたと思うし、お互いの親にも会いました。でもほんの少しのすれ違いから修正が不可能になってしまって、結局彼とは別れることになりました。それから暫くの間、誰も好きになれなかった。ずっと一緒だよって言ってたくせに。尤も、この年齢で将来を約束するほど不確実なものはないのだけれど。

 別れてから何ヶ月か経って、久しぶりに彼に連絡を取ってみました。もう充分すぎるほど時間は流れていて、彼がどんな状況になっていても決して傷つかない心の準備は出来ていました。単純に久しぶりに声を聞いて近況報告を聞きたかった。そう思ってたはずなのに。彼の第一声は「俺、結婚するんだ」。その一言を聞いて、私はまだ彼に未練があったことを認めました。

 それから数日後、初めて好きでもない男に抱かれました。全て流してほしかったのです。涙も、過去も、思い出も。でも、そんなことで全てが消え去るはずもなく、何度かそんなことを繰り返して、私の体はどんどん汚れていきました。

 誰かの体温が欲しかったのです。ただ、それだけ。



 1225 6年前の小さな恋人

 私は短大生の時、カナダに留学していました。そこでフラッツという11歳の少年と出会いました。彼は私をとても慕っていくれて、私のホームステイ先に、私が大学から帰った頃を見計らって、毎日のように電話をしてくれました。毎回最初に「早く声が聞きたかったんだ」と言ってくれて、毎日毎日受ける愛の告白に照れながら、いつも2〜3時間の長電話。

 当時私は恋人を日本に置いて留学していたのですが、彼からの国際電話と同じくらい、フラッツからかかってくるラブコールを楽しみにしていました。彼に対して恋愛感情はもちろんなかったけれど、本当に楽しみだったのです。彼と話すすべてのことが新鮮でした(私の英会話能力の乏しさが毎回浮き彫りになったけれど)。彼と会う時は、彼はいつもプレゼントをくれました(それはキャンディーやチョコレートといったものだったけれど)。

 あれから6年。留学から帰ってから暫くは連絡を取っていたけれど、段々疎遠になっていって、今ではもう一切コンタクトを取っていません。でも彼から貰ったプレゼントの一つであるマグカップを私は今でも愛用していて、今日みたいな寒い日にはそのマグカップでホットミルクを飲むのですが、そのたびに彼や当時のことを思い出すのです。

 彼は今17歳。私は今恋人なし。今ならOKなんだけど。



 1227 温かくなるために

 すごく寒いはずなのに、暑い。 すごく寒いはずなのに、熱い。

 凍えそうな夜でも、あなたの吐息が耳にかかれば、まるで熱でもあるように頭がぼーっとする。このまま熱にうかされていたいと思う、真冬の夜。



 1229 半端者の決意

 もうすぐ今年も終わり。今年はどんな一年だったのか、ちょっと考えてみることにします。

 今年はマメに掃除しようと思ってたのに。
 今年はちゃんと貯金しようと思ったのに。
 今年はきちんと仕事をこなしたかったのに。
 今年は良い出会いがあることを期待してたのに。

 なんだかどれも中途半端で、もうすぐ今年も終わるというのに、心残りがいっぱいあります。
 えーと、来年頑張ります。



 1231 渡る世間に敵はナシ

 もしもこの世界の人間のほとんどが敵だとしても、絶対の信頼を置く最大の味方がいて、私の周りをしっかりとガードしてくれているなら、例え傷だらけになっても、何度くじけそうになっても、なんとか生きていられるということ。
 結局は、こんなに厳しい世間を、一人では決して渡って行けないのだということ。
 でも難しいのは、傷だらけになりながらも尚私を守ってくれるような人を見つけることと、どうやってそこまでの信頼関係を築いていくのかということ。

 私には、例えボロボロになっても、体を張ってでも守りたい大切な友人がちゃんといます。私がもし窮地に追いやられた時、何人の友人が私を守ってくれるんだろう。人生って、そういう人達と出会うための冒険なのかもしれません。

 <!-- 語られなくてもいい話
 こんなことを思ったのが、実は、「『トルネコ3』のポポロ編で封印の洞窟に入った時、勢い余って突入した部屋がいきなりモンスターハウスで、うみどりの爪装備の最弱のポポロを仲間モンスターみんなが頑張って守ってくれて、結局ボロボロになりながらも何とか階下に降りられた時に思ったこと」だというのは内緒の方向で。
 -->