0703 空の色 風の声

 青く澄んだ空の下で大きく深呼吸すると、気持ちがリセットされるのです。
 心地良い風が、頭の中の整理出来なかったモヤモヤを何処かに運んでくれるのです。
 外は晴れ。今日はきっと良いことがある。



 0705 後悔ループ

 後悔しないように、後悔しないようにと生きようとしても、なぜ人間は後悔するだろうと解かっていながら後悔する方を選択してしまうんだろうと思います。決断を迫られて、どっちの道に進みたいかは本当は解っているくせに、自分の意志とは反対に進みたくない方向へ進んでしまって、それでも後戻りは出来なくて、そのまま進んでいくしかなくて。
 こんなことの繰り返しの日々。私は一体いつ教訓と成長を得られるのだろう。



 0706  シャボン玉

 彼はまだその場所に来ているのです。もう来ないで欲しいと思っても、私にはそれを規制する権限など無く、彼は私の心の中を自由自在に行き来して、私の心を踏み荒らします。

 もういいんだってば。
 もう来なくてもいいんだってば。

 あなたが私の前をちらちらと横切るから、私はあなたのことが気になって気になって仕方が無いんです。それが優しさだというのなら、いっそ消えてなくなってください。



 0707 天の川の向こうにいるキミ

 去年の今頃。インターネットに夢中になってた私に、いつもヤキモチばかり妬いてたキミ。私が日記を書こうと思ってパソコンを立ち上げると、すぐにやってきてキーボードの上を歩き回り、私の邪魔をしてた。私が怒るとキミは潤んだ瞳で寂しそうに私を見つめ、すごすごとパソコンから降りるんだ。私がパソコンの電源を切ると、キミは嬉しそうに私に駆け寄り、体をすり寄せてきて抱っこをねだったね。

 もしもキミが彦星で私が織姫になれるのなら、一年に一回でもいい、キミに会いたい。



 0709 目の上の空と雲

 朝起きてカーテンの隙間から空を見ると、眩しいくらいの青と白。まるで青いキャンバスに白い絵の具をこぼしたように、澄みきった空に大きな雲がくっきりと浮んでいました。

 でも、朝の慌しい時間にゆっくりと空を見ることもままならず、急いでメイクを始めます。今日は明るい印象のスカイブルーのアイシャドウにパールホワイトのハイライトにしよう。空の色とお揃いにするくらい、別にいいでしょ?



 0712 行き当たりばったり

 考えれば考えるほどこんがらがっていくので、一先ず悩むのはやめて、何も考えずに行動してみてもいいかなあって思いました。そういうことがあってもいいと思いました。



 0715 眩しい夏の午後に

 久しぶりに乗る助手席は少し照れくさくて、なんだかくすぐったかった。何を喋っていいのか解からないから煙草の本数ばかりが増えていって。彼は私の隣で真面目な顔をして、普段かけない眼鏡なんてかけてて、大きな手でギアチェンジするものだから、なんか違う人に見えて恥かしかった。

 だからかも知れないけど、彼のまつげの向こうに見える太陽の光がやたら輝いて見えました。



 0717 涙色

 彼女は自分の運命を嘆いて、私の隣でポロポロと涙を流しました。彼女が悪いわけじゃない。それは本当に仕方のないことだったのに、彼女はそれを自分の所為にして、自分だけを責めました。世の中にはなんでも責任転嫁して絶対に自分の非を認めない人達が山ほどいるのにと、私は思いました。

 彼女の涙は、まるで彼女の心の透明度をそのまま映したようにどこまでもクリアで、その涙も、まるでラインストーンのように輝いていて、私は、自分の涙はどんな色をしているんだろうと、ぼんやりそんなことを考えました。



 0718 睡眠不足疲労注意報

 寝る間を惜しんですることが、今の私にはあるんです。でも、例え睡眠時間が毎日3〜4時間でも、会社に遅れることは社会人として許されなくて、毎朝毎朝、眠い目を擦って支度をするのです。会社に行くと休憩時間を返上して仕事をし、毎晩毎晩残業続きで、家に帰るのは11時前。それでも家に帰ればまたそれはそれでやることがたくさんあって、その繰り返しの毎日。

 でも、今はまだ、休息をとる時じゃない。



 0722 リセット不可能

 全ての歯車が少しずつかみ合わなくなってきて、だんだん誤差が生じてきて、その誤差はもっともっと大きくなっていって。こんなつもりじゃなかったと嘆いても、それはもう戻らないんです。それでもまだ何とかなるかもしれないと一分の可能性に期待しても、結局それは不可能だと知るのは時間の問題な訳で。

 そんな風に期待するくらいなら、始めから諦めていた方が良い。そんなふうに思えてしまうほど、何もかもがどうでもよくなる瞬間が、私にはあるのです。



 0725 波打ち際に集められたキミのカケラ

 ズーンと低い訳でも、キーンと甲高い訳でもない、あなたの声が大好きなんです。すごくちょうど良い。

 あなたの声帯が振動し、あなたが発する一つ一つの言葉が私の胸に浸透してきます。それは私の心の水面に幾つもの波紋を作り、小さな波が広がっていきます。そして浜に打ち上げられた言葉を私は一人で拾い上げて、密かに収集しているのです。



 0726 雨に濡れないように

 先日、妊娠中の妹と駅でバッタリ会いました。わあ、どうしたの?って感じで立ち話。同じ広島市内に住んでても全然会ってなかったので、ちょっと長話しをしていたのですが、そんな時、突然の通り雨です。私も妹も傘を持っていません。じゃあお姉ちゃん、あたしそろそろ行くね。そう言って妹は改札口から出ようとしました。以下姉妹の会話。

 私:「行くって、こんなに雨が降ってるでしょ」
 妹:「ああ、大丈夫だから」
 私:「全然大丈夫じゃないよ」
 妹:「ううん、全然平気だって!」
 私:「じゃあこれで傘を買いなさい。(そっと千円を渡す)」
 妹:「お姉ちゃん、本当に…」
 私:「あんたは大丈夫でも、お腹の子供が大丈夫じゃないの!」
 妹:「お姉ちゃん…」
 見つめあう私と妹。嗚呼、素晴らしきかな姉妹愛。千円札を握り締め、嬉しそうに手を振りながら去って行く妹を見て、ちょっとクサかったかなあと一人で照れてました。でも、すげー安物の昼ドラみたいになこと言っちゃった。うひぃ。



 0728 劣等感から生れる優越感

 私が音楽を作ってみたいと言ったら、彼は眉一つ動かさず言いました。「僕の機材使います?」 でも、総額で100万円を優に超えるそれらを借りても、そんな高価な物、保管に困ります。

 ギターにベースにドラム、そして、作詞作曲、アレンジ、ボーカル。私がやりたいこと、やってみたいことを全てこなせる彼なのに、どうして彼は音楽をやめたんだろう。いつもそう思います。レコード会社からのデビューの話を断って、現在社会人として生きている君は、私よりもずっと年下のくせに私よりたくさんのことを知っていて、何だかとっても悔しい。

 だからだと思います。以前トランペットを吹いていた彼が、彼よりもずっと長いトランペット歴を持っている私にいろいろ聞いてくる時、ちょっと良い気分になってしまうのは。



 0729 大人の香りがする女

 先日、ある人から香水を貰いました。ニナリッチ。髪や体に振りかけると、それは実にエレガントな芳香を放ち、私は思わず大人の女になったように錯覚します。

 最近は全然香水なんて買ってなかったので、もともと持っていたティファニーとジバンシーを交互に使うだけでした。というか、もともと香水なんてガラじゃなくて、つけること自体余り好きではありませんでした。でも、私ももう25歳。こういう香りが似合う大人の女性になれるように努力しなければ。



 0730 茜さす 帰路照らされど

 久々に、定時に終わった6時半。空を見上げると、眩しくて涙が出そうな程に鮮やかなオレンジ。私の胸をきゅうっと締め付けるその懐かしい茜色は、幼い頃にいつも見ていた夕焼けと同じ色で、またこの季節がやってきたのだと感慨深くなりました。

 夏休み、宿題など全くせずに、妹と一緒に近所の空き地で花を摘んだり鬼ごっこをしたりして、夢中になって遊んでいました。空が茜色になってくるとそろそろ夕食の時間。背中に長い影を引きずって家路を急ぐのです。幼少時代の遠い日々。私にとって、それは今でも大切な宝物です。

 通勤電車の中で外を見ながら帰っていると日は段々と落ちて行き、空の茜色は徐々に深さを増して紫色に変化していきました。15年前と変わらない空のグラデーションに、暫くの間見とれていました。