0601 梅雨生れの女だから

 5月。まだ梅雨の季節ではないのにフライング気味に降り続いていた雨は、今月ちゃんと降ってくれるでしょうか。5月に降りすぎて、今月の分がもう無いとかだったら嫌なんです。私は雨が大好きで、傘を持っていても差さなかったり、雨の日の休日はテレビの音を消して雨音を聞いたりしているくらいですから。

 外は暑く、陽は眩しくて、季節が梅雨を忘れてしまっているように感じます。だから、私のことを忘れられたように寂しく感じるのです。



 0603 そこから伝わってくる体温

 人の体温を感じたくても、この部屋には私以外誰も居なくて、今日も欲求が満たされないのです。手を繋いで、抱き合って、一つになって。そんな悦びを味わってないこの頃にうんざりしながら、いつ来るかも解からないその日の温もりを想像して、私は枕を抱いて寝るのです。

 小指の先が触れ合うだけでも温かくなれそうな今の私。それは温かいというよりも、むしろ熱く感じるくらいなんだろうと思いながら、寝返りだけが増えていく夜。
 君は今、誰の体温を感じたいんだろう。



 0604 サイレントメッセージ

 以心伝心って言葉があるけど、鈍い私は何も言わなくても心が通じ合うなんて魔法みたいなことは、ある訳ないと思っています。

 先日あなたと話していた時にふいに訪れた長い沈黙。何かを言おうとしたのに、その言葉を飲み込んでしまったことで生まれた沈黙。あなたの口からその言葉を聞かなくても、私は何故だか解ってしまいました。

 以心伝心って言葉があるけど、鈍い私は何も言わなくても心が通じ合うなんて魔法みたいなことは、ある訳ないと思っていました。



 0610 待っていたその音

 ホイッスルが鳴って叫びました。30分間が長くて、次のホイッスルが鳴るまで、まるで遠距離恋愛している大好きな人の声を聞きたくて聞きたくてしょうがない少女のように、その音をひたすら待っていました。その音は私たちを裏切らず、彼らの勝利の合図の音を響かせていました。



 0611 全部片付けてしまおう

 部屋の隅には本が乱雑に積まれ、ベッドの横には脱いだ服がそのまま投げ出され、灰皿の中では吸殻は山を作り、机の上にはまだアルコールが入ったままの缶が片付けられることなくその場にあります。

 こんな部屋に住みながら心の整理をしようと思っても、到底無理だということに今更気付きました。



 0612 瞳孔ファインダー

 今でもキミのことが忘れられないんです。キミのことを考える時にまず思い出すのは、まっすぐに私を見つめるキミの視線。

 私の瞳には今でも毎日キミの姿が映っているけど、チョコレート色したキミの瞳に私の顔が映ることはもう無い。フォトフレームの中にいるキミの瞳には、どうやったって私の顔は映らないんです。彼を閉じ込めているそのフォトフレームの表面を覆うガラスプレートが、私達の住む世界の境界線の役目を果たしているように感じます。

 当たり前のようにお互いの瞳の中に自分の姿が確認できたあの頃。あんなふうに見つめ合って、チョコレート色した自分の顔をもう一度見たい。それと同時に私にピントを合わせて、周りの物や景色が滲んで見えるくらいに私だけをキミには見ていて欲しいのです。これからもずっと。



0613 カリスマOL 25時

 呑んで歌ってアフターエイト。ワイワイ騒いでストレス解消。
 気付けば既に午前0時。終電逃すも動じない。
 タクシー乗ってタバコ吸い、運転手さんと世間話。
 5千円少々気にせずに、最後の一言 「お釣りはいいです」
 途中で寄ったコンビニで、リポビタンDを購入し、その場で一本一気飲み。
 帰りは午前1時でも、即風呂 即寝でテキパキと、明日に疲れを残さない。
 これぞ正真正銘の、仕事の出来る大人の女。

 いや、ただのオッサンのような気もしますが。



 0614 涙ノ量ニ関ワラズ

 次々と溢れてこぼれる涙よりも、ほんの一滴頬を伝う涙の方が、よっぽど悲しいことだってあるんです。



 0615 いつか過去になる今

 どんなに歩みを止めようと立ち止まっても、時間はゆっくりだけど確実に流れていて、嫌だと言ってもそれは私達を未来へ連れていくんです。だから、どんなに辛く悲しいことがあっても、今を笑い飛ばせる未来は必ずやってくるんです。

 そう自分に言い聞かせながら、今を精一杯生きています。



 0618 ブランニューデイズ

 見上げた空、吹き抜ける風、見慣れた街。それら全てがいつもとは違うような気がする日があるのです。気持ち一つでどんな感じ方でも出来ると思うんです。

 気持ちをリセットして、今日から新しい毎日がスタートします。いつだって、また始めらるんです。



 0620 P.S.元気です

 最近入社したばかりの後輩に、「ユカリさんをお手本として仕事をしたいんです」と言われて舞い上がったり。そして、浮かれまくっていつも以上に仕事を頑張ってみたり。良い所を見せようと張り切った結果、取り返しの付かない大きなミスをしてしまったり。それでも仕事は次々と入ってきて、落ち込む暇も無かったり。

 めまぐるしく通り過ぎる日々だけど、母さん、私はここで頑張っています。



 0621 まっすぐに生きよう

 世の中を斜めに見ることしか出来ない自分を発見した時、本当にいつも愕然とするのです。何もかもが皮肉だと受け取って、ちっとも要領良く世の中を渡って行けません。本来手に入れることが出来たものであっても、そういう時は、ほとんどの場合手に入れていないような気がします。

 背筋をピンと伸ばして、手をまっすぐに広げて待っていたのなら、得られるものは一体どのくらいあったんだろう。そう思っていても、どうしても斜に構えることしか出来ない時があるのです。損な性格だと知っていながら、それでも私はなかなか変わることが出来ないのです。



 0622#1 セックスの後

 口でキレイにしてあげるって会社の休憩時間にみんなの前で言ったら、それはもう思いっきり変態扱いされました。



 0622#2 さらにその後

 イッた直後の敏感になってるモノを弄ぶのが好きって言ったら、みんな引いてました。



 0625 不思議なカウンター

 数年前に母親に何歳か聞いた時、彼女は47歳でした。それ以降、何度同じ質問をしてもいつも47歳と答えるので、「そんな訳ないだろう」と心の中で呟きながら、それでも彼女は私の中ではまだ47歳のままです。

 女性は年令を聞かれた時、或る一定の数字をカウントするとそれ以降は数が減っていくのだと、ある女性が笑いながら言っていました。その時は解らなかったけど、今はそれが解るような気がします。

 そういう訳で、今日から私は何年経っても25歳ということで。



 0627 心の奥の致命傷

 その時のあなたの一言で、私はひどく傷付きました。心臓をギュッと握り潰されたような胸の痛み。あなたはそんなつもりで言った訳じゃないのかもしれないけれど、その言葉はあの時あなたの口から出たそのままの状態で、私の心の中で今でも凍り付けになっています。その言葉を思い出すたび、私の心臓は止まりそうになる程に締め付けられるのです。



 0630 ピリオドは自分で打つもの

 お前をそんなに傷付けるような男なんてやめとけよ。

 誰に何と言われても、自分がやめたいと思わなければやめられないんです。終われないんです。あの頃の私は終われなかったんです。私は間違ってなんかいない。