0302 ミルクティーな午後

 最近ミルクティーがマイブームなのです。
 ミルクパンに牛乳を注ぎ、沸騰したら紅茶葉を多めに入れて、紅茶感たっぷりのロイヤルミルクティーを作ります。ティーカップで飲むようなことはしません。私にとってロイヤルミルクティーはそんな高尚なものではありません。だからティーカップでおしゃれにキメる必要はありません。もっとカジュアルでもっとポップな、歩きながら飲めるファーストフードのコーラのような感じ。名前はロイヤルですけど。

 湯気の立ったミルクティーをお気に入りのマグカップに注いで、部屋の隅の定位置で飲むのです。まだ肌寒いこの季節、節約のためあまりエアコンをつけない私の冷えた体は、こうやって内から温まることで体温を上げるのです。



 0304 なりたい私になれなくて

 本当に好きな人、或いは本当に欲しいものは、嫌になるくらいなかなか手に入らないくせに、3番目くらいに手に入れたいものは、いとも簡単に手に入ってしまいます。それでも私はそれを解かっていながら、なかなか手に入らないものを欲しがり手を伸ばすのですが、それはどう頑張っても届かない。だから、手近に有った3番目くらいにに欲しいものを掴んでしまって、それによって仮満足してしまうのです。

 脚立に乗って、一番高いところにある美味しそうな果実を採ろうとしている私を、「そんなに無理すると脚立から落ちるかもしれない。危ないから一番近くのものを採りなさい」という声がどこかから聞こえてきて、私は目の前にある、まだ熟しきってない、でもそこそこ美味しそうな果実を採ってしまう。落ちてもいいから、あの一番上にある美味しそうなのが食べたいの。そう思えるくらいの意欲と冒険心は私にはなく、身近なもので諦めてしまうのです。

 ある程度欲しいものは割と手に入れてきたつもりの私は、実は、本当に手に入れたいものは何一つ手に入れていないと思います。諦めない私になりたいのに、それにも手が届かないのです。



 0307 水も滴るいい女

 玄関の門を開けると桜の木が立っています。朝露に濡れた彼女は可憐に咲き誇る聖女のような恥じらいを感じさせるのに、夜露に濡れた彼女は夜の街に君臨する女王の様な気位の高さを感じさせるから不思議です。たびたび雰囲気を変え、見る者全てを魅了してやまない彼女のその魅力に、私はいつも嫉妬してしまいます。

 昨日の朝のこと。乱れ咲く満開の桜が、ここ数日間降り続いていた雨に濡らされて、なんだかとてもエロティックに見えました。私にはそんな色気は無いなあと、彼女にに負けたことを悔しく思いながら、それでも日本国を代表する彼女に勝てる訳は無いと自分に言い聞かせることで納得しました。だって相手はミス日本ですから。



 0308 守るべきものはあるか

 いくら馬鹿にされても、呆れられても良いのです。そんなことは大して重要ではありません。大切なのは自分がどこにこだわるかということ。それを知った時、100個のプライドを捨てても、たった1個のそのプライドだけは、絶対に守り通そうと思いました。



 0309 朝晩の移動図書館

 もともと読書をするのは好きなのですが、最近は忙しい日々に追われ、全くと言って良いほど本なんて読んでいませんでした。小学生の頃、偉人の伝記を読み漁ることから始まり、中学生の頃はコバルト文庫の恋愛小説、高校生の頃はセブンティーン、短大生の頃はエッセイや小説(特に村上龍、群ようこ、桜井亜美など)を、社会人一年目は自己啓発系の本を、家でも学校でも職場でも、時間を見付けては読んでいました。つか一時期方向性違いますが。

 社会人2年目くらいからはなかなか本を読もうとはしなくなり、時間が有り余ってる時でも、読書をするということを忘れていた私ですが、最近また本を読むようになりました。そのきっかけは、某テキストサイトの管理人さんがある作品に触れていたことでした。私はその本を探しに本屋に行くと、何だか懐かしい気持ちになりました。そうそう、この感じ。何年か前までは、こんな風に本に埋もれて、どれを読もうかな、なんて考えていたんだな、と。

 最近は、毎週土曜日に新しい本を買いに行く習慣が付きました。朝と帰りの電車の中でいつも読んでいるので、私のペースでは大体一週間で読み終わることを知りました。

 で、今日も買ってきました。昨日まで読んでいた本は本棚へ。新しく買った本はポケットへ。私は物語の主人公に成りきってしまうという空想癖が有り、主人公と一緒に泣いたり笑ったりするので、きっと電車に乗ってる時に私の周りにいる人は「危ない奴が居る」と思っていることでしょう。

 こんなふうに、これからも感じたことを素直に受け止めたい。そして、読み終わった後に心に生れた感情をしおりに託して、新しい本に出会うたびその時の気持ちを思い出し、いろんな感情を生み出したいのです。



 0312 君の瞳に映る人

 彼女の瞳に映りたくて、毎日彼女を見つめてるんだけど、うつむいている彼女の長い睫毛にいつもブロックされる。僕が彼女の長い睫毛を掻き分けてその瞳の中にに入る余地は、きっと無いんだよ。

 彼はそう呟いて、目を落としました。君だってあの子の視線をいつも見逃しているくせに。



 0314 人付き合い論

 世の中の人間を、好きな人と嫌いな人に分けたとして。

 子供の頃は好き嫌いがはっきりしてました。優しくしてくれる人は好き。意地悪な人は嫌い。まだ子供ですからその辺は単純です。でも世間のことがちょっとずつ解り始めてきて、世の中は白と黒だけではないということを知っていきました。

 それから少し大人になって、嫌いな人はほとんどいなくなりました。それは分類枠が一つ増えて、「好き」 と 「嫌い」の間に 「どちらでもない」 が作られた為です。嫌いな人の大多数と、好きな人の一部が、この大きな枠に振り分けられました。この頃の私は非常に利己的且つ打算的で、自分に利益を与える人は「好き」、害をもたらす人は「嫌い」、その両方に当てはまらない人は「どちらでもない」、そういう基準のもとに人付き合いをしていたように思います。

 そして現在、「好き」「嫌い」「どちらでもない」の遥か遠くに、「どうでもいい」という枠が形成されました。良くも悪くも、私に強い印象を与えない人の多くは、その三つのカテゴリーから外れた、所謂、枠外に振り分けられることになったのです。年齢を重ねるにつれて、人付き合いがドライになっているように思います。

 こんなふうに人を判別して付き合う自分に嫌悪感を持ちますが、不思議と罪悪感はありません。それは、人間は誰しもそういう部分って持ってるから、と、無意識に自分に言い聞かせているからかもしれません。



 0315 きっと彼には聞こえてるから

 この場所に取り残されてもうすぐ丸7ヵ月。私以外誰も居ない狭い部屋に、一人で暮らしています。それでも私は出掛ける時は「行ってきます」、帰ってきた時は「ただいま」を、彼に向かって欠かさず言うのです。下駄箱の上できょとんとしたままの彼は何も返事をしてくれないけれど、それでも私は彼に声を掛けずにはいられないのです。



 0320 陽が差し込む寒い窓際

 この場所はこんなにも暖かくて、こんなにも光が降り注いでいるのに、どうして私はこんなにも寒いのだろうと思うのです。

 あの頃の記憶を手繰り寄せます。窓際に置いてあるベッドの上でゴロゴロしている私。そんな私のもとに嬉しそうに駆け寄ってくるキミ。そして今。ぽかぽか陽気の中、私の腕枕で眠るキミはもう居ない。キミの体温が暖かなこの窓際をより一層暖かくしていたことに、今更ながらに気付きます。解っているのは、私が感じているその寒さは肉体的なものではないということ。

 一人でも暖かくなれる方法を知るのは、まだまだ先になりそうです。



 0322 影響されるということ

 耳元で囁くあなたの声は、まるで温度調節の能力を持っているように、私の心の温度を変化させます。私が熱くなりすぎて我を忘れている時は、言葉少なに私を制して心を沈静化させてくれて、逆に落ち着きすぎている時は、熱い吐息を交えて語りかけてきます。

 やたら大人びたあなたの空気が私を子供に帰し、たまに見せる少年のような無邪気さが私を大人にさせる。やっぱりそちら側に行きたいと思ったのは事実なんです。



 0324 ファイティングライフ

 こうやって人生の道程を歩んでいくと、ことあるごとに分岐点があり、それは選択する前に、どちらの道が楽で、どちらの道が険しいのかが判ります。

 今私の目の前にも二つの道があります。一方は、舗装された広くて大きい道。もう一方は障害物が行く手を阻む細くて険しい道。今までの私は躊躇い無く簡単な方を選択していたのですが、人生に於いて、他でもない自分の為に勝負をしなければならないことが多々有るのも解っています。今度は逃げてはいけない。だから私は戦うことに決めたのです。



 0325 上ではなく、前を向いて。

 涙がこぼれないように上を向いて歩くより、一度はそのままボロボロと涙をこぼして、もう出なくなったら前を向いて歩いた方がいいと思います。本当は泣きたいのに笑っているのは相当難しい。そういう時は、思う存分泣いた方が随分楽になれると、私は思うのです。

 だから私は泣きたい時には泣くんです。泣くのを我慢して、無理して笑ってた時の後の涙が痛いから。散々泣いた後に前を向いて歩いていけば、結果オーライ。



 0327 春の日の恋物語

 心からオメデトウを言いたいのです。桜の花咲く春の午後、本当の意味での春が訪れた彼女に。

 例年よりも早めに咲いた桜は、もしかしたら、あなたの恋が実る瞬間を見届けるために普段よりも早く眠りから覚めたのかもしれません。お互いがその瞬間の気持ちを忘れずにいられたら、きっとあなたたちの間に咲く花は散らない。

 ずっと満開でいられますように。



 0328 ナチュラルサブスタンス

 水のように次々と変化できたら、どんなに良いだろうと思います。
 さらさらと流れたり、空気のように軽くなったり、さっきまであんなに固かったのに急に溶けだしたり。容器に注ぐとそれと全く同じ形に変化して、割れるとめどなく流れだす。私は頑なに形を変えるのを拒んでいるが故に、悪循環のループの中、まるで洗濯機の渦の中で踊り続ける浮き輪のように回っているのです。クルクル、クルクル。私の周りで渦を作っている、その水のようになりたいのに。



 0329 その一歩から始まる

 世の中は、成るように成るんです。
 逆に言えば、成るようにしか成らないんです。

 自分に出来ることは幾つもなくて、自分が何をするべきかを考えて悩むのですが、それが解決策になる筈はない。だって、悩み続けて答えが出るのであれば、一生悩み続ければ良いのですから。行動を起こすことでしか結果が出ないのであれば、何かを始めてみればいい。何でもいいから。それがきっと解決策になるから。